32. 『ファミリーガバナンス・ガイダンス』(経済産業省)が公表されました

2026/06/09

 

 202665日付で、経済産業省より『ファミリーガバナンス・ガイダンス』が公表されました。昨年(2025年)3月より、同省が立ち上げ、検討を進めてきた「ファミリービジネスのガバナンスの在り方に関する研究会」は、これで一定の区切りをみたことになります。

 本ガイダンスでは「ファミリービジネス」として「創業者や創業者一族が、世代を超えて株主又は経営者として、企業の存続や発展に重要な役割を果たす会社」を想定しており、主な対象を非上場の中堅規模のファミリービジネスとしながらも、「上場・非上場、企業規模を問わず、全てのファミリービジネスにとって重要な内容」であり、「ファミリー内」と「ファミリーと株主をはじめとするステークホルダーとの間」で合意する事項を中心に整理するとの説明が付されています。

 ただ、ガイダンスの中身だけ読んでみても、おそらく抽象的と感じられる表現にとどまり、その意味では、まさに“ガイダンス”であることから、今後も引き続き、本ガイダンスを実務の現場でどう活用していくのかが課題になりそうです。よって「ガイダンス」の公表前と後で、私たち実務家の役割は大きくは変わらないと考えております。

 

 実は、今回のガイダンス公表の前には、ガイダンスに準拠すればひょっとして補助金が付与される?等々の淡い期待もありましたが、残念ながら、補助金も税制優遇措置も現時点では何らかの手当がなされるとの情報はありません。ただし、事前に公募されたパブリックコメントに対する同省の丁寧な回答書を読むと、「本ガイダンスに準拠することによる税制優遇措置等の制度設計が必要」との要望意見に対して、「今後、更にファミリーガバナンスの事例の収集を行ったうえで、必要に応じ制度設計を検討してまいりたい」との回答が出されていました。また、同回答書において繰り返し記載のある「各社の事情により最適な形が異なる(百社百様である)から各社の事情に応じて必要なガバナンスをご検討いただきたい」とのコメントに対しては、誰もが納得できるところでので、引き続き、百社に対して百様のアドバイスとサポートが必要になってくるものと感じているところです。

 

 余談ですが、弊法人が提出したパブリックコメントの要望事項のうち一つを採用していただきましたので、(手前みそではありますが)同省の取り組みに対する弊法人の目線はずれていないことも確認できました。

今後は、この分野での最強のエンジンとなるべく、より一層の努力を重ねて参ります。

 

〇経済産業省「ファミリーガバナンス・ガイダンス」の公表についてhttps://www.meti.go.jp/press/2026/06/20260605001/20260605001.html

〇ファミリーガバナンス・ガイダンス(案)に対するパブリックコメントの結果について

https://www.meti.go.jp/press/2026/06/20260605001/20260605001.html

この記事の執筆者

田場 万優
Y&P ファミリービジネスコンサルティング
田場 万優

税理士法人山田&パートナーズ パートナー
税理士